食品添加物の役割と利用

役割や種類

役割による分類

食品添加物として許可されるには、安全であることはもちろん、有用性も認められないといけません。
ここでは、その有用性(役割)によって分類しました。

①食品の安全を守る

食品の安全を守る代表的な食品添加物には、微生物による腐敗・変敗や食中毒のリスクを減らす保存料や惣菜など保存期間の短い食品の日持ちを延長する日持向上剤、酸化による有害物質の生成や変色などを抑える酸化防止剤などが挙げられます。
  • 保存料
  • 加工食品中の微生物が増えるのを防ぎ、腐敗、変敗や食中毒のリスクを低減するために使用されます。
    例) ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、しらこたん白、ε-ポリリシン
  • 日持向上剤
  • 惣菜、サラダなどの保存性の低い食品の短期間の腐敗、変敗を抑えるために使用されています。
    例) グリシン、酢酸ナトリウム、キトサン、リゾチーム
  • 殺菌料
  • 食品や原料の微生物または有害細菌を殺菌し、腐敗、変敗や食中毒のリスクを低減するために使用されます。
    例) 次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、亜塩素酸水
  • 防かび剤
  • オレンジ、レモンなどのかんきつ類やバナナの輸送貯蔵中のカビの発生を防止するために使われます。
    例) イマザリル、オルトフェニルフェノール
  • 酸化防止剤
  • 食品中の油脂の酸化を防止したり、果実加工品や漬物などの変色や褐変を防止するのに使用されます。
    例) L-アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、dl-α-トコフェロール

②食品の嗜好性を向上させる

食品の嗜好性を向上させる代表的な食品添加物には、味や香りを良くする甘味料や酸味料、調味料、香料などや、食感を良くする安定剤、増粘剤など、色を良くする着色料、発色剤などが挙げられます。
  • 着色料
  • 食品を着色し、色調を調整するために使用されます。
    例) 食用赤色2号、β-カロテン、ウコン色素
  • 発色剤
  • ハム・ソーセージの色調・風味を改善するために使用されています。ボツリヌス菌による食中毒リスクを抑える働きもあります。
    例) 亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム
  • 漂白剤
  • 加工食品の原料である食品などに含まれる好ましくない色素成分や着色物質を無色にし、色調を白くするために使用されています。
    例) 亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム
  • 光沢剤
  • 食品の表面に光沢を与え、防湿など食品を保護する目的で使用されています。
    例) ミツロウ、ラノリン
  • 香料
  • 食品に香気を付与または増強するために使用されています。
    例) 酢酸エチル、バニリン
  • 香辛料抽出物
  • 食欲を増進し、おいしさを高めるために使用されます。
  • 甘味料
  • 食品に甘味を付与するために使用されています。
    例) アスパルテーム、アセスルファムカリウム、D-キシロース、ステビア抽出物
  • 酸味料
  • 食品に酸味の付与または酸味の調整や味の調和のために使用されます。
    例) クエン酸、DL-リンゴ酸、フィチン酸
  • 調味料
  • 食品にうま味や塩味などを付与、増強し、また味を調和させて味覚の向上や改善に使用されています。
    例) L-グルタミン酸ナトリウム、5’-イノシン酸二ナトリウム、L-アラニン
  • 苦味料
  • 食品に適度の苦味を与え、おいしさを増すために使用されています。
    例) カフェイン(抽出物)、ナリンジン
  • 軟化剤(チューインガム)
  • チューインガムの柔軟性保持のために使用されます。
    例) グリセリン、D-ソルビトール

③食品の製造・加工時に必要

豆腐を固める凝固剤、中華めん特有の食感・風味などをつくるかんすいのように、食品添加物がないとつくることができない食品があります。また、流通過程における食品の劣化を防ぐものもあります。
  • 豆腐用凝固剤
  • 大豆から作られる豆乳を固めて、豆腐を作る時に使われます。
    例) 塩化マグネシウム、グルコノデルタラクトン、粗製海水塩化マグネシウム
  • かんすい
  • 中華めん特有の食感、風味、色調をつくりだすアルカリ剤でワンタンの皮などにも使用されます。
    例) 炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム
  • 酵素
  • 生体細胞によって生産されるたん白質で、一般の化学反応とは異なり、特定の物質に温和な条件で反応を行い、目的の物質を製造するために使用されています。
    例) α-アミラーゼ、リゾチーム
  • pH調整剤
  • 食品のpHを適切な範囲に調整し、食品の変質、変色を防止したり、他の食品添加物の効果を向上させるために使用されます。
    例) フマル酸、リン酸、イタコン酸
  • 乳化剤
  • 食品に乳化、分散、浸透、気泡、消泡、洗浄などの目的で使用されています。
    例) グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、植物レシチン
  • 増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料
  • 食品に滑らかな感じや、粘り気を与え、分離を防止し、安定性を向上させるために使用されています。
    例) アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、アラビアガム、キサンタンガム
  • 膨張剤
  • パン、菓子などの生地を膨張させ多孔質にし、食感の向上のために使用されます。
    例) グルコノデルタラクトン、炭酸水素ナトリウム
  • イーストフード
  • パン、菓子等の製造工程で、イースト(酵母)の栄養源等の目的で使用されています。
    例) 塩化アンモニウム、塩化マグネシウム
  • ガムベース
  • チューインガムの咀嚼基材として使用されます。
    例) エステルガム、グリセリン脂肪酸エステル
  • 製造用剤
  • 食品の製造や加工の工程で使用される消泡剤、抽出溶剤、ろ過剤、酸・アルカリ剤、結着剤、離型剤、グレース剤など
    例) アセトン、アンモニア、活性炭、ケイソウ土

④栄養価の補填・強化

ビタミン、ミネラル、アミノ酸類などが挙げられます。
  • 栄養強化剤
  • 栄養を強化するために使用されます。
    例) L-アスコルビン酸、β-カロテン、d-α-トコフェロール、焼成カルシウム
  • 参考資料
  • 改訂新版よくわかる暮らしのなかの食品添加物(谷口顕雄監修、日本食品添加物協会編)
    もっと知ってほしい食品添加物のあれこれ(日本食品添加物協会)
  • 01 食の安全を守るために
  • 02 食べ物の腐敗と食中毒
  • 04 食品添加物の安全性