食品添加物の安全性

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04 食品添加物の安全性

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#3 ソルビン酸としらこたん白の安全性

ソルビン酸としらこたん白の安全性

代表的な保存料である「ソルビン酸」、「しらこたん白」をとりあげ、具体的に説明します。

ソルビン酸の安全性

いつから使われているか

ソルビン酸の静菌作用は、1939年、1940年にドイツ、アメリカで発見され、アメリカでは当時、抗カビ剤としてのソルビン酸の使用に特許が与えられました。 わが国ではソルビン酸は1955年(昭和30年)に、ソルビン酸カリウムは1960年(昭和35年)に食品添加物の指定を受けています。天然にはクラウドベリーにソルビン酸が含まれているとの報告があります。

体内でどのように消化されるか

ソルビン酸は通常の脂肪酸と同様に体の中で代謝され、最終的には二酸化炭素と水になると考えられています。
  • 脂肪酸とは、脂質の構成成分の一つ。代表的な脂肪酸はオレイン酸(オリーブオイルの主要成分)、リノール酸(大豆油、コーン油、サフラワー油など植物油の主要成分)、α-リノレン酸(シソ油、エゴマ油、キャノーラ油、大豆油などの主要成分)など。

どのようにして安全性が認められているか

ソルビン酸、ソルビン酸カリウムについては、急性毒性、亜急性毒性、変異原性、慢性毒性および発がん性の試験がされ、ソルビン酸類のADI(一日摂取許容量)はソルビン酸として0~25mg/kg体重/日と求められています。アメリカでは使用制限なしのGRAS(Generally Recognized As Safe)物質として「砂糖」や「寒天」と同等に扱われています。
  • 用語の解説
  • 急性毒性:1回または短期間の複数回投与で短期間(1日~2週間程度)に生じる毒性のこと。
    亜急性毒性:比較的短期間(通常1~3か月程度)の連続または反復投与によって生じる毒性のこと。亜慢性試験ともいう。
    慢性毒性:長期間(通常6か月程度)の連続または反復投与によって生じる毒性。
    発がん性:ある物質を生体内に摂取することによって、その影響で体内に腫瘍を発生させる、または発生を促進する毒性のこと。
    変異原性:遺伝情報を担う遺伝子(DNA)や染色体に変化を与え、細胞または個体に悪影響をもたらす性質のこと。
  • 関連資料

保存料で体内の善玉菌が死ぬ!?

  • 腸内の善玉菌保存料なんか使ったら腸内にいる善玉菌は大丈夫なの?
    死んでしまうんじゃないの?と心配ですよね。
    しかし保存料はヒトの健康に影響のない量で、食品中の細菌等の増殖を抑制することのできるもののみが使用を許可されています。
    また、保存料は細菌を殺すのではなく増殖を抑制するものですし、唾液や胃液などで希釈されて大腸到達時の濃度はきわめて低いので、保存料がヒトの腸内の善玉菌を始め、体内の有用菌を殺すといったことはありません。

しらこたん白の安全性

いつから使われているか

1874年にサケの精子中の塩基性物質がプロタミンと名づけられ、これがたん白質であることが確認されました。その後さまざまな魚からプロタミンが発見されました。
抗菌剤として研究が始まったのが1937年頃で、1985年には食品の保存への利用に関する研究が開始されました。
  • 用語の解説
  • たん白質とは
    ヒトをはじめとしたさまざまな生物に欠かせない栄養素の一つです。身近なところだと、筋肉や内臓、爪、髪などはたん白質からできています。たん白質を構成するL-アミノ酸は20種類あり、アミノ酸の数や種類や並び方によってそのたん白質の性質が異なります。連結したアミノ酸が少ない場合はペプチドと呼ばれています。

体内でどのように消化されるか

しらこたん白はサケ由来、ニシン由来ともに、通常のたん白質と同じように消化器官でアミノ酸などに分解され、小腸で吸収されます。しらこたん白を構成するアミノ酸は主にアルギニンです。アルギニンは私たちの体内のたん白質を構成する20種のアミノ酸の一つです。

どのようにして安全性が認められているか

急性毒性、変異原性、亜慢性毒性、催奇形性の試験が実施されています。しらこの食経験が長いことからも安全性が高いと考えられています。
なお、しらこたん白にはサケ由来とニシン由来がありますが、サケ由来の場合は、特定原材料に準じるものとしてアレルギー表示が推奨されています。
これまで、しらこたん白自体にアレルギーの報告はありません。
  • 01 食の安全を守るために
  • 02 食べ物の腐敗と食中毒
  • 03 食品添加物の役割と利用