食品添加物の安全性

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04 食品添加物の安全性

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#1 安全性はどのように評価・管理されているか

安全性はどのように評価・管理されているか

食品添加物は危険なものでしょうか。
ネットなどで調べると、食品添加物がいかに危険で避けないといけないものか訴える記事がたくさん出てきます。
実は、食品であれ食品添加物であれ、危険かどうかは摂取する量によって変わってきます。
ここでは、食品添加物がどのようにして安全性を評価され管理されているかについてご説明します。

安全性は量で決まる

日頃からなにげなく摂取している水、食塩、砂糖であっても、摂り過ぎれば体に悪影響をもたらすことは良く知られていることではないでしょうか。これは食べ物の安全性が「量」によって決まるという一例です。
このような「量の概念」は食品添加物の安全性を考える上でも基本となります。
安全性の量の概念
一つひとつの食品添加物に対して、短期の大量摂取、長期の継続的摂取、世代をまたがっての摂取といった動物実験が行われ、急性や慢性の毒性、発がん性、生殖機能や胎児に与える影響、アレルギーの原因とならないかなどが科学的に調べられます。さまざまな試験をした中で、「これ以下なら何も健康への悪い影響が出ない食品添加物摂取量」である「無毒性量」が算出されます。
この「無毒性量」は動物実験から算出されるので、ヒトに当てはめるために「安全係数(1/100)」を掛けて「一日摂取許容量(ADI)」を求めます。ADIは、ヒトが一生食べ続けても健康への悪影響がないと認められた一日あたりの摂取量です。
ここまでは科学的な評価によるので、「リスク評価」といわれます。
「一日摂取許容量(ADI)」をもとに、その食品添加物を使っても良いか、使っても良い場合にはどの食品にどのくらい使って良いかが検討されます。日本人がどの食品をどのくらい食べているか、食品添加物が効果を発揮するにはどのくらいの量を添加しないといけないかということを考慮して、いろいろな食品から食品添加物を摂取してもADIを超えないように、使用基準が設定されます。
また、使用基準を超えて添加していないか、実際の摂取量がどのくらいになっているかということが調査されています。輸入食品においても、日本の使用基準が守られているかチェックされます。
このようにADIをもとに使用基準を設定して、その遵守状況も管理することを「リスク管理」と言います。
評価と管理との組み合わせで、食品添加物は使っても安全な量がよく調べられて、それが守られているのです。
人に有害な影響を与えない量で、有用な作用のあるもののみが、食品添加物として許可されています。

ADI(一日摂取許容量)と使用基準

使用基準は、食品添加物の摂取量がADI(一日摂取許容量)を下回るように設定されています。
具体例として、ここではソルビン酸という保存料をハムに使用する場合について説明します。
ソルビン酸のハムへの使用基準は、ハム1kgあたり2.0g以下です。
ソルビン酸のADI(一日摂取許容量)は、ヒトの体重1kgあたり0~25mgです。
これらをもとに計算すると以下の図のような関係がわかります。

ソルビン酸を例にとると…

  • 無毒性量は、実験動物に対して有害な影響が見られない最大量であり、上図は量のイメージを持っていただくための参考です。ヒトに対して健康影響を及ぼさない量の目安としてADI(一日摂取許容量)が定められています。
使用基準があるために、ソルビン酸を健康に悪影響が出るほどとるのは難しいことがわかります。
  • 1.
  • 体重50kgの人が毎日摂取しても健康に影響のないソルビン酸の量

    ADIは、ヒトの体重1kgあたりの1日許容摂取量として表されています。

  • 2.
  • ADIを超えるソルビン酸を摂取するのに最低限必要なハムの量

    使用基準は、食品1gあたりの使用上限量として表されています。

  • なお、日本人は1日平均11.6gのハムを食べているとされています。
  • <例題:小児の場合>
  • 小児(1~6歳)についてハムの摂取量統計があるので、例題として取り上げてみます。
  • 1.
  • 小児(1~6歳)の平均体重は15.7kgです。
    小児が毎日摂取しても健康に影響のないソルビン酸の量は次のように求められます。

  • 2.
  • ADIを超えるソルビン酸を摂取するのに最低限必要なハムの量

  • 小児は1日平均9.8gのハムを食べているとされています。
ご参考:
急性毒性(数値が大きいほど急性毒性が低い)で比較すると下表のようになり、ソルビン酸の急性毒性は、広く使用されている他の食品添加物や食塩と同程度かやや低いことがわかります。
  ソルビン酸 グリシン 酢酸ナトリウム 重曹 食塩
急性毒性
(半数致死量)
7.4~12.5g/kg 7.9g/kg 3.5g/kg 4.3g/kg 4.0g/kg
  • 急性毒性試験は、いろいろある安全性試験の一つです。無毒性量やADI(一日摂取許容量)はさまざまな安全性試験の結果から求められており、急性毒性試験の結果のみから決められることはありません。
  • 半数致死量は、実験動物の体重あたりの物質重量で表され、数値が大きいほど急性毒性が低いことを示します。
  • グリシン等の説明はこちら
関連資料
  • 01 食の安全を守るために
  • 02 食べ物の腐敗と食中毒
  • 03 食品添加物の役割と利用